ハラスメント防止条例

 28日の6月議会最終日、市長、議員らも対象にしたハラスメント防止条例が自民党・明政クラブ、公明党、無会派3名(自分も含む。)で可決・成立しました。本条例は狛江市議会で、少なくてもこの30年間で新規の条例として成立までこぎつけた初の条例となります。

 以下は私が共同提案者を代表して申し述べさせていただいた提案理由です。(全文まま)

3月議会の時点で前市長をめぐる問題はハラスメント疑惑と報じられていましたが、その時点で類似案件の再発防止に向け、外部相談窓口を開くことと、条例化は必須だろうと今回本条例案を共同提案している会派の議員は表明して来ていたところです。

 狛江市議会では議員提案による新規条例は、少なくとも平成に入ってのここ30年間は1本も可決成立したことはないと聴いています。行政のチェック(いわゆるチェック機能)、予算の決定、決算の認定といった財政機能と並び、条例制定といういわゆる立法機能が市議会の主要な役割です。 そのうちの立法機能、これが条例の制定なわけですが、条例の「議決」というよりむしろ、条例の「立案」こそが、自治体議会の主要な役割として期待されているとすれば、それを怠ってきたとなれば、市議会は何をやっているのかとの批判を免れないでしょう。本来、自治体議会は、市長の意思の「追認機関」、「協賛機関」であってはいけないのです。

3月議会終了からおよそ2ヶ月半私たちは私たちのすべき事に注力しようということで条例提案に向け、他自治体の事例の調査・研究、聞き取りを行いながら限られた時間の中、精力的に会合を重ねて参りました。

そのような中、市長辞任に至った訳ですが、市長が辞める辞めない関係なく、我々狛江の議会人につきつけられた責任は、1日も早く、職員個々人が尊重される快適な職場環境を確立すること、ハラスメントを2度と許さない環境、仕組み作りを実現することです。

 その際、行政自らは市長等特別職を対象とした十分な対策を示しきれないことを率直に理解しなくてはなりません。 さらには行政にのみ責任を押し付け何か対策が出て来るのを待っているだけでは我々議会人の責任を果たしたことにはならないと強く感じました。行政に代わり二元代表制の一翼として議会のイニシアティブの下、私たちが市政を正常化させなければならないことを自覚しなくてはならないのです。言い換えれば、今回の件をきっかけに全国的にも先進的で、明確なハラスメント再発防止策を議会発で提示していくことが私たち議会人に課された責任だと強く思います。

 そのための具体策として、冒頭申し上げたように、①役所内部の「規則」を「条例」に格上げすることで外の目に格段に触れやすくし、②市長ら特別職や議員も含めること、そして③市長等特別職や議員が関係するハラスメント案件については、より公正・中立な外部の有識者による調査・審議を実現することが欠かせないと考えます。また、④相談についても外部ルートを開くことでより相談しやすい環境整備の一助となると考えます。

 こうすることは、ここにいらっしゃる議員の皆さんの求められるところとも軌を一にするものであると考えます。

 私たち議員は、8万2千の狛江市民のために、一日も早く、狛江市政への信頼を取り戻すように動くことが求められています。全てのハラスメントを根絶する条例を、時間をかけて作るべき、とか、条例に、被害に遭われた方への配慮や回復への支援のしくみも含めるべき等のご意見も頂戴したところです。しかしながら、条例が万能であることはあり得ません。条例以外の部分で対処していかなければならないことがあるのが当然なのです。そのためには、私たち議員も全ての狛江市職員とともに、条例を整備すると同時に「心の改革」を進めなければなりません。ハラスメントを皆が許さない環境をつくること。ジェンダー、職場の上下関係によるところなく、個々人が尊重される風通しの良い職場づくり。これは誰が新しい市長になろうと変わらない目指すべき方向性であり、我々に課された命題、ミッションです。そのための提案は、条例とは別途、庁舎内のハラスメントを許さないという啓発活動の必要性、そのための具体の方策の提案、市長等幹部のハラスメント研修の義務化は議会として確実に求めて参ります。

 3月議会に続く最も早いこの6月議会のタイミング、また来月、新しい市長が決まる前に、ハラスメント再発防止への狛江市全体の決意を示しておくことこそが新生狛江を内外に表明して行く最善のタイミングであると信じます。新市長にはぜひ、ご就任の挨拶でハラスメント根絶宣言をしていただきたい。他方、ハラスメントは、世間的な耳目を集め、状況も変化し続けている分野です。条例も一度制定して終わりということはなく、今後もILOなど国際機関の条約・勧告制定の動向や国の法整備の動きなどに留意しつつ、本条例が常にそれらを反映したものであり続けるようにしていかなければなりません。この先の条例の見直しが担保され、また見直し作業に入るハードルを下げる意味で、今回は特に、付則に「検討条項」を入れさせていただきました。その内容は、本条例の施行後3年以内に、この条例の運用の実績等を勘案し、見直しを行い、その結果に基づき必要な措置を講ずるというものです。このような柔軟性を有する規定をビルト・イン、備えておくことは条例制定が拙速過ぎるというご批判にお答えを用意すると同時に、変化の激しいハラスメント防止の、世界、そして我が国の動きを反映する必要のある今回の条例の内容に照らし、必須のことと考えました。

 以上、提案理由であり、広く皆さんのご賛同を求めるところです。よろしくお願い申し上げます。

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