みんなの学校

 22日初めて六本木ヒルズに行きました。あんまり進んで行きたいと思ったことはない場所です。でもその日は特別な理由があったのです。昨年公開された映画『みんなの学校』の上映会+元学校長木村泰子さんのお話が聴けるからでした。

 映画『みんなの学校』は大阪市住吉区にある大空小学校を舞台にしたドキュメンタリー映画です。

「自分がして欲しくないことは人にはしない」を唯一の約束事とし、障害のある子もない子も同じ環境で助け合いながら、学んで行く。そんな学校です。また、巷間「コミュニティスクール」なんて言葉が聞かれるようになりましたが、地域の人々も一緒になって学校を「つくる」。それを地で行っている学校と言えます。

 大阪一円から「問題がある」とされてきた子どもたちが集まって来ます。最初は先生たちも戦々恐々です。しかしながら、映画は良い意味で予想を裏切ってくれます。どんな子も「ありのままの自分」をなんとか理解してくれようとする級友、先生、地域の人々の温かい環境(木村先生は「空気」と仰っていました。)の中で「これでいいんだ」と安心して行くのがわかります。

 木村先生は、こうも仰られていました。「あの校長がいたから出来たのだろう」と言う人がいる。

でもそれは違う、と。その人は教師が全ての子どもの学習権を保障しなければならない、という事をどう理解しているのだろうか。それを最初から放棄しているからそんな(評論家みたいな)事を言うのではないか、と。そして続けられます。子どもにはどんな大きな未来、どんな可能性があるか、わからないじゃないですか? 大空小には塾に通っている子は学年に一人くらいしかいませんでした。(大阪市住吉区という地域性もあるのかもしれない。山田注)でも卒業生が夕方、5年生を対象に多目的室で「大空塾」を開いています。私(木村先生)が九九わからないのに、あなた教えられるの?って聞くと、その子は見ながらなら教えられるって言うんです(笑)

 大空小では号令をかけたり、前に倣い!のようなことは一切しないそうで、6年生には中学校文化に慣れさせるために「中学校準備セミナー」をしているのだそうです。最初生徒は「なんで中学生はこんなんやるの?」って笑うらしい。でも実際に中学校に進学した後、学校を訪ねて来た時には、「先生の言ってたことはほんまやった。」と言うそうです。

 大抵の学校の先生に「あなたの子どもは何人?」と聞くと、普通の小学校の先生方は自分の担任の子どもの数を答えるそうです。そこを大空小では260人(全校生徒数)と答えるような共育を今も目指している(はず。木村先生はこの3月で退職。)とのことでありました。

 木村先生とトークされた一橋大の米倉教授は自分は普段から六本木ヒルズでいろいろやっているが、(普段は資本主義の権化のような聴衆が多く、)今日のように会場の空気がきれいな日は経験したことがないと冗談とも本気ともつかないことを言っておられました。

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