平成24年度狛江市一般会計決算について

08日 10月 2013

平成24年度狛江市一般会計決算について

 本日、9月定例会本会議最終日に当たり、平成24年度狛江市の一般会計決算について意見を申し述べさせていただきました。

 内容は以下のとおりです。(少し長くなりますが、全文です。)

「平成24年度決算は、超少子高齢化の進展に伴う税収減、社会保障費の増大が、短期的な景気変動はともかく、経済が右肩上がりでなくなった時代に一気に押し寄せる形で、前市政の下で執行され始めていた予算を、未来の狛江のため、将来世代に「ツケ」をできるだけ残さない形に高橋市長が改められるかに注目が集まりました。ただ、実際には、8割方の事業が執行に移されている中でできることはごく限られていたと思います。

 国債発行額、借入金、政府短期証券の発行額を合計したいわゆる日本国政府の借金がこの6月末に1008兆円を超え、一人当たりでは約792万円の借金を負うことになりました。これら政府の借金も私たちは背負っているのです。そういった中で状況を冷静に、客観視し、今年3月に後期基本計画を策定、自治体として自主財源を確保することで財政基盤を強化することが何より重要であるという認識は極めて正しいと言えましょう。

 上記を踏まえ、前市長時代の公共施設再編方針を見直し、多大の投資を要する三中の移転や新中央図書館の建設、駅前三角地における市民活動支援センターの建設を取りやめ、事業債と赤字債である臨時財政対策債の発行抑制を実現したことは常識的な市民感覚に基づいたものと言え、全く正しい道に市政を引き戻しました。狛江に子どもを育てる親の一人として感謝いたします。

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 今決算でも議論の的となったその臨時財政対策債制度について申し述べたいと思います。臨財債については、制度が始まった2001年(平成13年)、翌2002年の様子を見ることから始めなければなりません。当時、交付税は本来の財源であるいわゆる国税5税(所得税、酒税、法人税、消費税、たばこ税)の上がりからだけでは賄いきれず、交付税特会の借入という「隠れ借金」で何とか回していました。これでは持続可能ではないということで、臨財債の制度が出て来ました。当時、第一次小泉内閣でしたが、財務大臣であった塩川正十郎氏は構造改革のため「地方交付税1兆円削減」を言いました。地方団体との激しい綱引きの末、地方交付税は前年度より8049億円減少しました。注目すべきは外見的には「1兆円削減」に近い削減が、内実は臨時財政対策債に振り替えられたことです。

 また、当時の経済財政諮問会議では、地方交付税を「財源保障機能」と「財源調整機能」に分けたうえで、財源保障機能を縮小する議論が展開されていました。この制度(臨財債制度)はそもそもその方向に踏み出したものだったのです。石原信雄氏の言葉を借りれば「借入れはやめましたが、その代わり、地方に財源不足分の借金を認めています。それは赤字地方債ですから、なくさなければいけません。」ということです。

 総務大臣を務められた片山善博氏が知事をなさった鳥取県の見解をみると、「国から地方自治体に交付する地方交付税の原資が足りないため、不足分の一部をとりあえず臨時財政対策債として地方自治体に借金させて窮状をしのぎ、借金の返済時に地方交付税として地方自治体に返すという趣旨で設けられました。臨時財政対策債は交付税措置のある地方債で、特徴として借りたお金を自由に使え、返済額の100%を地方交付税措置(基準財政需要額に算入)してもらえますが、返済時にその他の財政需要を踏まえた所要額が地方交付税として交付されるとは限りません。」としています。また、東京都国立市では、「交付税総額は現在のところ、予算折衝の動向に左右され、実際に自治体に交付される額も、交付税総額に影響を受けるため、元利償還金がそのまま交付されるものではありません。」と昨年の財政改革審議会資料に明記しています。さらに、九都県市の首長も国に対し、地方財源不足の解消は、税源移譲や地方交付税の法定率引上げによって確実に対応すべきとして、今年も制度を廃止すべきと申し入れています。

 確かに、臨時財政対策債に対する元利償還金は交付税で措置されるとされています。しかし、元利償還金は3年据え置き、20年償還でありますから、元利償還が始まるまでは措置分の交付税は一銭も入って来ませんし、元利償還が始まっても、毎年入って来る措置分の交付税はいくらになるでしょうか。発行額の20分の1です。それほどでしかない。したがって、年々の財源は保障されておらず、個々の自治体としては、狛江もそうですが、また臨財債を発行して凌がなければならなくなるという実務上の問題もあります。

 臨財債は発行可能額まで起債しなくても、あるいはまったく発行しなくても、発行可能額の元利償還金の全額が措置されるため、起債しない場合には将来のために「貯金」するのと同義です。そのようなインセンティブが内在されているのです。

 繰り返しになりますが、元利償還金に交付税措置が講じられていると言っても、それに対する財源は交付税に対して措置されておらず、その保障もない。制度発足に当たり先に述べたような背景がある。要は必要な歳出を確保する場面では発行も止むを得ないが、できる限り発行を抑制すべきということなのです。

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 先に市政を正しい道に引き戻したとさせていただきましたが、改革は始まったばかりです。

 高度経済成長期に整備した各公共施設の更新もあります。この8月末、国(総務省)は自治体のバランスシート統一基準に関する中間報告をまとめました。その中で、不可欠なものとして「複式簿記」、「固定資産台帳の整備」が求められると言われています。そして早ければ2014年度決算からの適用を目指すとみられているようです。

 こういったことへの対応をしっかり行いつつ、狛江に必要なもの、できることを見極め、市長が後期基本計画策定時に述べられたように、あれもこれもという総花的な市政運営からは距離をおき、ぜひ現場感覚で市民ニーズを踏まえ政策課題に優先順位を付け、取り組んで行くという姿勢を加速化させてやっていこうではありませんか。そうすれば、中期財政計画で定めた目標達成は自ずと実現に近づき、健全な財政運営と財政基盤の確立への道が拓けると確信しています。

 以上、今後の期待も含め、平成24年度一般会計決算を認定いたします。

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